睡眠歯科

SLEEP

睡眠時の問題を歯科の視点から治療

いびきをかく方は非常に多く、本人は気づいていなくても家族やパートナーに迷惑をかけてしまう行為です。当院ではいびきや睡眠時無呼吸症候群の治療に対応しております。治療では患者様のお口にフィットするマウスピースを作製し、いびきの解消や睡眠の質を向上できるようにサポートいたします。特に睡眠時無呼吸症候群の早期発見・早期治療は、重大な合併症の予防にもつながります。

睡眠時無呼吸症について

睡眠時無呼吸症(Obstructive Sleep Apnea : OSA)は睡眠中に起こる10秒以上の無呼吸や低呼吸のいずれかが、1時間のうちに5回以上起こる場合に診断されます。

睡眠時無呼吸症の症状

日中の眠気や夜間に何度も目が覚めたり、いびき、深い睡眠が得られない、などがあります。
起床時に頭痛があったり、夜間に頻繁にトイレが近くなるというのもそうです。
また寝ている間に無呼吸があるため、全身に酸素がいきわたりづらくなり、循環器系に大きな負担がかかります。これにより、高血圧、不整脈、糖尿病、腎臓疾患、心筋梗塞など、循環器系の病気を悪化させる要因にもなります。
過去には新幹線の運転士が、運転中に居眠り、停車駅を乗り過ごしてしまうという事故があり、ニュースとして取り上げられました。バス、タクシー、電車など、頻繁に乗り物の運転をされるような方は命の危険につながるような病気です。

睡眠時無呼吸症の治療

歯医者では軽度から中等度の睡眠時無呼吸症の方が治療の対象です。
保険診療内で治療することができます。
重度の方は医科にて治療をお願いすることになります。

歯科での診療の流れ

歯科での睡眠時無呼吸症の治療には医科からの紹介状が必須となります。
歯科の治療は口腔内装置(Oral Appliance : OA)、いわゆるマウスピースによる治療を行います。
マウスピースを装着するため、事前に虫歯の治療が終わっていることが必要になるため、他院にて歯科の治療中の方は、治療を終えてから、OAの作製を行う流れになっています。

  1. Flow01

    医科での診察・検査

  2. Flow02

    当院(歯科)での
    検査・治療

    ※医科からの紹介状をご持参ください。

  3. Flow03

    OA(マウスピース)の
    装着

  4. Flow04

    医科にて再検査

睡眠時無呼吸症用の口腔内装置(Oral Appliance)の特徴

閉塞性睡眠時無呼吸症の軽症~中等症の方には、主にマウスピースを用いる治療を提供しております。睡眠時にマウスピースを装着していただくと、下あごを前に出した状態で上下を固定し、空気の通り道を確保できます。治療を継続していただくと、いびきや無呼吸状態の軽減に効果が期待でき、日中の眠気や頭痛も改善する可能性があります。

Merit

  • 軽度から中等度の睡眠時無呼吸症の治療ができます(無呼吸低呼吸指数5~30)。
  • 装置が小さいので外出先でも使用できます。
  • 医科のC-PAPと比較して、一度作成してしまえば、ずっと使用可能です。
  • 機械によるモーター音がありません。
  • 電源が必要ありません。

Demerit

  • 使用の際、副作用(顎、筋肉、歯の痛み)が生じます。
  • 医科からの紹介状が必要です。
  • 医科のC-PAPと比較して、使用状況をデータとして残せません。
  • 完成、装着までに時間がかかります。

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睡眠時無呼吸症候群(SAS)問題対策
平成15年2月26日、JR西日本山陽新幹線の運転士が、福山駅を定時発車後、所定速度で運転中に約8分間居眠り状態となり、岡山駅に到着した際、新幹線がATC(自動列車制御装置)の動作により所定停車位置の約100メートル手前で自動停止するという事案が発生した。

車掌が運転台に行き確認したところ、運転士は居眠り状態であり、運転士に声をかけたところ目を覚ましたが、当該運転士が「病気でない。」と申告したため、新大阪まで運転が継続された。

同社は、運転士が「病気でない。」と言明した場合でも、(1)他の乗務員(車掌等)を運転室に同乗させる、(2)可能な限り代替運転士の手配を行う等の措置をとることを内容とする新幹線指令運転マニュアルの見直しを行ったが、その後の医学的精密検査の結果、当該運転士が睡眠時無呼吸症候群(SAS)であると診断されたことを発表した。

これを受け、国土交通省では、直ちに全国の鉄軌道事業者に対し睡眠時無呼吸症候群等に起因する可能性の高い事故事例等を再調査するとともに、当該症状の認識を新たにして健康管理等に所要措置を講じるよう通達した。

さらに、本件が、鉄道のみならず、陸・海・空の各交通機関に共通する問題であり、同様の事態に起因する交通事故を未然に防止するための対策を至急検討する必要性にかんがみ、平成15年3月7日、「交通事業に係る運転従事者の睡眠障害に起因する事故等の防止対策に関する連絡会議」を省内に設置し、医療専門家からの情報も得ながら、公共交通機関に関して今後執るべき安全対策について申し合わせを行った。

申し合わせでは、基本的な対応方針として、運転従事者に対するSAS問題への認識向上の取組とSAS検診の促進及び運転従事者がSASであるとの診断を得た場合には速やかに医療専門家の治療と指導による厳正な健康管理体制の下に置く等の措置により、安全な交通を確保する運行管理体制を整備するよう交通事業関係者への周知と指導の徹底を図るとともに、各交通機関の特性を考慮した具体的な対応策を総合的に推進することとしている。

(引用:内閣府ホームページ https://www8.cao.go.jp/koutu/taisaku/h15kou_haku/h15gait2.html

わからないことがありましたら、当院にてお気軽にご質問ください。
睡眠歯科 担当歯科医 中山敏行

CPAP療法

CPAPとは強制的に気道に空気を送り込む機械であり、睡眠時無呼吸症候群の方の治療に適しております。特に中等症~重度の方に効果的ですが、治療効果を得るには毎日の使用が必要です。
治療初期では、マスクを顔に装着することに違和感を覚える方もいらっしゃいますが、設定変更や装着の工夫するといったサポートが可能です。CPAPでは月1回の定期的な外来受診を行いますので、ご自身が治療と快適に向き合える環境を医師と一緒に作りましょう。