口腔外科(親知らず)

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トラブルがある場合は抜歯を

親知らずとは6歳臼歯と12歳臼歯の奥に生えてくる18歳臼歯のことです。
軟らかいものばかりを食べる「食事の近代化」の影響もあり、現代人の顎は小さく、親知らずの生えるスペースが不足しています。
そのため歯が横や斜めに生えるトラブルが起こったり、歯茎がかぶっていたりして細菌が溜まり、歯茎が腫れて痛みが出たりすることがあります。
親知らずがキレイに生えている場合は必ずしも抜歯する必要はありませんが、将来的にトラブルの原因となる可能性のある親知らずは早めに抜歯しておいた方がいいでしょう。
ここでは親知らずの抜歯の手順や重要なポイントについてご説明します。参考にしてください。

当院での親知らずの抜歯の例

横向きに生えた左下親知らずの抜歯

当院では、横向きに生えた親知らずにも対応しています。
葛飾区金町で全国に1割しかいない厚生労働省の定める安全基準で診療しております。お気軽にご相談ください。

親知らずの抜歯の流れ

Flow01レントゲンで血管や神経の位置を確認する

親知らず抜歯前に、CTレントゲンを使用して血管や神経の位置や親知らずの根の状態を確認します。
事前に親知らずの状態を把握してから抜歯治療を行うことで安全性を最優先に確保します。

Flow02表面麻酔と注射麻酔で痛みを最小限に

親知らずを抜歯する前に、入念に麻酔を施します。
注射麻酔の前には表面麻酔を施し、麻酔自体に痛みが出ないように配慮します。
歯科の麻酔は敏感な歯茎に圧を加えて行うため痛みが強い傾向にあるため、圧を最小限に抑える電動麻酔器を使用して痛みを出さないよう工夫を施しています。

Flow03親知らずを抜歯する

麻酔を施したのち抜歯を行います。
専用の器具を使用して歯を「歯根膜(歯と骨を繋ぐクッションのようなもの)」から引き離します。
通常、麻酔が効いているため痛みを伴いませんが、万が一痛みの出た際には合図をしていただき麻酔を追加します。
また、親知らずが骨の奥に埋まっている場合は、周りの歯を割って小さくしたり、骨を削ってから抜歯する必要があるため、お口を頑張って開いておいていただく必要があります。

Flow04糸で縫って傷口を小さくする

親知らずを抜いた部分には血液が溜まり、かさぶたができて歯茎が盛り上がってきます。
この治癒過程を利用して、かさぶたができやすいように傷口を縫って小さくしたり、穴に止血用のスポンジを入れることがあります。
麻酔は大体1~3時間で効果が薄れてくるため、痛みが心配な方には麻酔が切れる前に痛み止めをお渡しします。

Flow05ガーゼで圧迫止血をする

ガーゼを強く噛んでもらい、止血しながら痛みや腫れを抑えます。
また、かさぶたが早くできるように30〜60分ほど止血を行います。
血液をサラサラにする薬を飲んでいる方は血が止まりにくいため、長めにガーゼを噛むようにしていただきます。

Flow06翌日の消毒

翌日に出血や感染がないかを確認し、消毒を行います。
痛みや腫れの具合によって薬を変えたり、量を調整して早く回復するように配慮します。

Flow071週間後に糸を取る

親知らず抜歯から1週間ほどで傷口が小さくなってくるため、このタイミングで糸を取ります。
さらに3〜6週間で歯茎は完全にふさがり、骨は3〜6か月程度で回復し始めます。
(個人差あり)

痛みが取れない場合は「ドライソケット」になっている可能性が

治療後1週間が経過しても、痛み止めを飲まないと耐えられないほどの痛みが残っている場合は「ドライソケット」になっている可能性があります。
ドライソケットとは、強いうがいを繰り返すことで血液のかたまりが流れてしまい、親知らずを抜歯した穴に血液のかさぶたができずに骨が露出している状態を意味します。
ドライソケットになっている場合は薬を飲んで経過観察するか、麻酔をして出血させることでかさぶたを作り治す処置を行います。